はじめに
事業部門のシステム部門で働く会社員のはち子です。
本記事は、息抜きです!「魔法のリノベ」というドラマがおもしろいという話です。
私は最近、新サービスの企画業務にシステム屋として参加し、マーケティングやデザインシンキング分野の修行をしているところです。そのため最近は
潜在的ニーズ
という言葉で頭がいっぱいなのですが、「魔法のリノベ」ではお客様の潜在ニーズを痛快に発掘してくれます!
ドラマ第一話のネタバレが含まれるのでご注意ください。(ネタバレNGであれば→HOME)
潜在的ニーズの発掘ドラマ「魔法のリノベ」
どんなドラマ?
波留さんが、住宅に対して様々な悩みを抱えるお客様に寄り添い、お客様が本当に求めているものを住宅リノベーションで解決するドラマです。
公式ページでは以下のように紹介されています。
このドラマは、住まいに新たな価値を創り出す住宅リノベーションをテーマに、依頼人が奥底に抱えている家や家族に対する問題という“魔物”に立ち向かう主人公たちが、毎話、五感と機転と根性を駆使したリノベ提案という“魔法”で、スカッと華麗に解決していく人生リノベーションお仕事ドラマだ。
波瑠が演じるのは、大手リフォーム会社で営業成績抜群のエースの立場にありながら、ワケあって男だらけの福山家が営む「まるふく工務店」に転職してきた主人公・真行寺小梅(しんぎょうじこうめ・30)。そんな小梅とタッグを組む、営業成績0点でバツ2シングルファザーの長男・福山玄之介(ふくやまげんのすけ・33)を、間宮祥太朗が演じる。
顧客の直接的要望からは、潜在的ニーズはわからない
第一話は、40代の夫婦のマンションをリノベーションするお話でした。
顧客の要望:寝室を、空いている3畳の部屋とつなげて広くしてください。
「寝室を、空いている3畳の部屋とつなげて」は
直接的な「ウォンツ」
ですね。しかし、波留さんは言われたことをそのままやるだけの人ではありません。
顧客は自分は何が欲しいかわかっていない
という前提のもと(かどうかは明言されていませんが)、顧客の本当のニーズを引き出す観察作業に入ります。すると、夫婦はとても仲良く、思いやりがあるのだが、どうやらお互いに隠していることがある様子。
そこで一人ずつ話を聞いてみると、実は夫婦別室で寝たかった!!ということがわかります。(理由は、妻の歯ぎしりとか、生活リズムの違いとか。)子供ができなかったことにお互い申し訳なさを感じており、相手を思いやるあまり言い出せなかったようです。
では、工務店から提案したことにして、うまいこと夫婦別寝室に話を持っていこう。➡いいえ、そこで終わらないのが波留先生です。
なぜ?を繰り返して本当のニーズを探る
本当に、このとても仲の良い夫婦が、別室でいいのか?と、もやもやを残す波留先生です。 なぜ、別室にしたいのか。なぜ、言い出せなかったのか。
顧客のインタビューから、潜在ニーズを引き出すには、「なぜ?」を繰り返すとよいそうです。
結果、波瑠さんは、完全に部屋を区切った案を紹介してみる。
すると、二人とも 「うーん、、なんか、、良いんですけど、別室すぎるというか・・・(意訳)」 と浮かない顔。
ここから、
「(相手の歯ぎしりや生活リズムに邪魔されず)ぐっすり寝たい」ニーズと、「相手の存在を感じていたい」
ニーズが両方あることを読み取ります。その後、波留さんはドヤ顔で本命の案を提案します。
「スライドドアで区切られた部屋にします。普段は1つの広い部屋としてそれぞれ作業ができる部屋です。スライドドアを閉めれば、寝るときだけ、別の部屋として使うことができます」
ベネフィットを想像してください
二人の顔がぱっと明るくなりました。波留さん、そこで超かっこいい決め台詞を放ちます。
「想像してみてください。新しい部屋での、お二人の生活を。」
メリットで終わらず
ベネフィットを提示します
(ここでは、自分で想像させます)。ここまで来ると、二人はとても具体的に、自分の生活がどう変わるか、何を得られるかを想像できます。「あなたの生活体験は、こんなに楽しいものに変わります」ということを伝えるフェーズを演出しました。
メリット:他社製品や従来商品と比べた際にその商品の優れている特徴を指す ベネフィット:購入者がそれらを購入して得られる変化や体験のことを指す
→【ベネフィット】とは | マーケティングの基礎知識 | デジマール株式会社|デジタルマーケティングエージェンシー
こうして波留さんはライバル企業に勝つのでした。
エンディングテーマが泣ける
ここまでの流れも十分素晴らしいのですが、さらにエンディングテーマが良いです。
実際のリノベーションが終わった後のマンションと、そこで暮らす2人の生活が、ヨルシカさんの歌声とともに映し出されます。 1時間、視聴者と共に悩んだ夫婦が、仲良く幸せそうに暮らしている姿に、号泣できると思います。
YouTubeに、エンディングテーマの総集編?がありました。この動画では複数の回をまとめてしまっているようですが、ドラマのエンディングではちゃんと「その回のお客様」の生活を見ることができます。
➡『魔法のリノベ』×主題歌「チノカテ」エンディングまとめてみた - YouTube
波留さんから学ぶこと
- お互いが何か隠していそう
- 二人は本当に仲が良く、生活リズムの差に悩みながらも、いつも近くで存在を感じていたいのではないか
といった、夫婦の本当の気持ちは、
波留さんがお客さんに寄り添い、よくよく観察したからこそ得られた示唆(インサイト)
だと思いました。別室にしたい理由もちゃんと確認した点もポイントだと思います。
ドラマ=エンターテイメントなので、単純明快なお話になっていて、「現実はもっと難しいんじゃいっ」とつっこみも入るかもしれません。とはいえ、このお話には社会人に必要な基本動作、特に、
正解の無い問いに対する答えを見つけ出すデザイン思考
の参考になると思います。そういえば、家売るオンナも潜在ニーズ発掘ドラマだった
北川景子さん演じる家売るオンナも、同じように顧客の潜在ニーズを毎回引き出していましたね。
このような、正解の見つからない仕事に真摯に取り組む社会人はドラマの題材になりやすいのかもしれません。特に不動産屋は、お客様に寄り添う姿を描きやすい。
一方で、システムエンジニアを描いたドラマはあまり見ないですね。大規模システムの20年前に書かれた謎の設計書を全力で解読したり、SQLの性能を追求したり、サーバーがダウンして徹夜で対応したりといった内容のドラマってあまりないと思います。
ドラマに出てくるエンジニアって、カタカタとキーボードを打ったら何でもできるスーパーマン?(そしてたいてい、コミュニケーションに難あり)の場合が多い気がします。本当はシステムエンジニアも、一握りの天才を除けばチーム戦だと思いますが。
結論は無いです。
おわりに
ただ好きなドラマについて語るだけの会でした。
勉強中のデザイン思考については、以下の記事にまとめております。